2008年7月10日 (木)

日弁連、増員抑制に転換へ 法曹3000人計画否定

リンク: asahi.com(朝日新聞社):日弁連、増員抑制に転換へ 法曹3000人計画否定 - 社会.

司法試験合格者を2010年までに年間3千人に増やす政府計画をめぐり、日本弁護士連合会(宮崎誠会長)が「数値目標にとらわれることなく慎重に審議し、当面の増員のペースダウンを求める」として、計画を推進する立場から方向転換する方針を固めた。近く法務省に提言する。

一連の経緯に鑑みるとき、あまりにも、いい加減な議論ではないか。ようやっと法科大学院を修了した法曹が誕生したにすぎない段階で、「質の低下」とはあまりにも拙速な判断。「一部の法科大学院で『基本科目の教育が不十分であることが指摘されている』」としても、それが、即、実務家の質の低下に繋がっているかは、現段階では判断できないと言うべきであろう。日弁連は、その指摘が正当かどうか検証したのだろうか。

さらに、今さら就職難を問題にするとは言語道断。そんなことは、00年11月の法曹人口増加を求める決議の段階で、ちょっと考えれば分かったことではないのか。

私は法曹人口増加や法科大学院制度の維持に固執するものではないが、このようなあまりにもいい加減な議論のやり方には、呆れるしかない。

「国民の権利を十分に保障し、豊かな民主主義社会を発展させるためには、充実した司法の存在が不可欠である。」(90年決議)、「『市民の司法』の実現基盤としての法曹人口」(00年決議)といった文言は、いったいなんだったと総括されるのであろうか。

2008年6月20日 (金)

心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律による処遇事件

リンク: 判例検索システム>検索結果詳細画面.

妄想型統合失調症による幻覚妄想状態の中で幻聴,妄想等に基づいて行った行為が「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律」2条2項の対象行為に該当するかどうかの判断は,対象者が幻聴,妄想等により認識した内容に基づいて行うべきでなく,対象者の行為を当時の状況下で外形的,客観的に考察し,心神喪失の状態にない者が同じ行為を行ったとすれば,主観的要素を含め,対象行為を犯したと評価できる行為かどうかの観点から行うべきである。

付添人が、「原審において,対象者の幻覚妄想状態の中での認識に基づき,①対象者が,本件各物品の所有者である亡くなった者と霊界で会話をして,同人から本件各物品を持ち出すことについて明確な承諾が得られたと認識していたのであるから,対象者には窃盗の故意がなく,②対象者が,B及びCが対象者を殺そうとするやくざであると認識し,B及びCの行為が逮捕行為であるとは考えていなかったのであるから,対象者には逮捕を免れる目的がなく,③対象者が,B及びCから自己に対する急迫不正の侵害があると誤認し,自己の身を守るために両名に暴行を加えたのであるから,対象者の暴行行為は誤想防衛に該当するとして,対象者には事後強盗が成立せず,対象行為が存在しない」と主張した事案。

最高裁は、「医療観察法は,心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者に対し,継続的かつ適切な医療等を行うことによって,その病状の改善及びこれに伴う同様の行為の再発の防止を図り,もってその社会復帰を促進することを目的とするものである。このような医療観察法の趣旨にかんがみると,対象者の行為が対象行為に該当するかどうかの判断は,対象者が妄想型統合失調症による幻覚妄想状態の中で幻聴,妄想等に基づいて行為を行った本件のような場合,対象者が幻聴,妄想等により認識した内容に基づいて行うべきでなく,対象者の行為を当時の状況の下で外形的,客観的に考察し,心神喪失の状態にない者が同じ行為を行ったとすれば,主観的要素を含め,対象行為を犯したと評価することができる行為であると認められるかどうかの観点から行うべきであり,これが肯定されるときは,対象者は対象行為を行ったと認定することができると解するのが相当である。なぜなら,上記のような幻聴,妄想等により対象者が認識した内容に基づいて対象行為の該当性を判断するとすれば,医療観察法による医療が最も必要とされる症状の重い者の行為が,主観的要素の点で対象行為該当性を欠くこととなりかねず,医療観察法の目的に反することとなるからである」とし、この主張を排斥した原決定を維持した。

心神喪失状態であったとの合理的な疑いが残るとされた事例(無罪)

リンク: 判例検索システム>検索結果詳細画面.

統合失調症に罹患していた被告人が,かねて自宅に隣接する家人から誹謗中傷されていると邪推し,同家人を殺害しようと企て,隣家に侵入し,所携の文化包丁で家人4人を突き刺すなどしたが,同家人らに妨害されたため,殺害目的を遂げなかったという殺人未遂被告事件において,公判段階での鑑定結果を踏まえて,被告人が本件各犯行を正に行っている際にも幻聴を聞いていたとの弁護人の主張を排斥できず,本件各犯行時,被告人は,活発化していた幻聴や妄想に強く影響されていたことが明らかであるなどの事情に照らし,心神喪失状態であったとの合理的な疑いが残るとして,無罪が言い渡された事例。

青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律

リンク: 衆法 第169回国会 30 青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律案.

提出回次:第169回
議案種類:衆法 30号
議案名:青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律案

改正少年法の成立

リンク: 閣法 第169回国会 68 少年法の一部を改正する法律案.

提出回次:第169回
議案種類:閣法 68号
議案名:少年法の一部を改正する法律案

法務省による「少年法改正案のポイントQ&A」はこちら

«米連邦最高裁:グアンタナモ収容者の権利再容認

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