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2007年10月の8件の記事

2007年10月21日 (日)

有罪立証、状況証拠も同じ=最高裁が初判断示す

リンク: 時事ドットコム:有罪立証、状況証拠も同じ=最高裁が初判断示す.

有罪立証、状況証拠も同じ=最高裁が初判断示す

 状況証拠だけで有罪とするには、直接証拠よりも高度な立証が必要かが争われた刑事裁判の上告審決定で、最高裁第1小法廷(泉徳治裁判長)は18日までに、「可能性として、被告が犯人ではないことを示す事実が存在する余地があっても、常識に照らして合理性がない場合、有罪認定は可能」と述べ、求められる立証の程度に違いはないとの初判断を示した。

最(一小)決平成19年10月16日。「刑事裁判における有罪の認定に当たっては,合理的な疑いを差し挟む余地のない程度の立証が必要である。ここに合理的な疑いを差し挟む余地がないというのは,反対事実が存在する疑いを全く残さない場合をいうものではなく,抽象的な可能性としては反対事実が存在するとの疑いをいれる余地があっても,健全な社会常識に照らして,その疑いに合理性がないと一般的に判断される場合には,有罪認定を可能とする趣旨である。そして,このことは,直接証拠によって事実認定をすべき場合と,情況証拠によって事実認定をすべき場合とで,何ら異なるところはないというべきである。」とした事案。

2007年10月17日 (水)

信号無視の少年はねた被告に無罪 「事故予測できず」

リンク: asahi.com:信号無視の少年はねた被告に無罪 「事故予測できず」 - 社会.

信号無視の少年はねた被告に無罪 「事故予測できず」
2007年10月17日13時31分
 大阪府寝屋川市の府道交差点で1月、自転車の少年(当時17)をはねて重傷を負わせたとして、業務上過失傷害の罪に問われた府内のトラック運転手(64)に対し、枚方簡裁は16日、無罪(求刑罰金10万円)を言い渡した。小川親治裁判官は「少年は赤信号で進入しており、事故の予測は困難だった」と判断した。

枚方簡判平成19年10月16日。予見可能性を否定した事案。

信号無視で逮捕は違法=「軽微な犯罪、逃亡の恐れない」

リンク: 時事ドットコム:信号無視で逮捕は違法=「軽微な犯罪、逃亡の恐れない」-東京地裁.

信号無視で逮捕は違法=「軽微な犯罪、逃亡の恐れない」-東京地裁
 車で走行中に信号無視をし、現行犯逮捕された東京都内の男性が「不必要な逮捕で精神的苦痛を受けた」として都に慰謝料を求めた訴訟の判決で、東京地裁は16日、「軽微な犯罪で、逃亡の恐れはなく、逮捕は違法」と述べ、請求通り1万円の支払いを命じた。

同じ記事を時事通信から。asahi.comは「信号無視で逮捕は違法」とするが、およそ逮捕できないとする理由はなく(刑訴法は軽微な事件についての逮捕を一律に禁ずるわけではない)、こちらの記事の方が正確か。これによれば、信号無視したことは認定しつつ、「警察官に呼び掛けられてから十数秒後、約140メートル離れた場所に停車しており、比較的短時間に応じた」ため、逃亡のおそれが欠けるとした模様。

信号無視で逮捕は違法、警察対応を批判 東京地裁判決

リンク: asahi.com:信号無視で逮捕は違法、警察対応を批判 東京地裁判決 - 社会.

信号無視で逮捕は違法、警察対応を批判 東京地裁判決
2007年10月17日06時01分
 交通取り締まり中の警視庁警察官に信号無視の疑いで現行犯逮捕された男性(66)が慰謝料1万円を求めた訴訟で、東京地裁は16日、全額を支払うよう都に命じる判決を言い渡した。

東京地判平成19年10月16日。免許証の呈示を拒否した者について逃亡のおそれがないとした模様。

2007年10月16日 (火)

警察の塀に登った瓦職人に無罪判決、「侵入の意図ない」

リンク: asahi.com:警察の塀に登った瓦職人に無罪判決、「侵入の意図ない」 - 関西.

警察の塀に登った瓦職人に無罪判決、「侵入の意図ない」
2007年10月15日
 警察署の塀の上に登ったとして、建造物侵入などの罪に問われた大阪市の瓦職人の男性被告(21)に対し、大阪地裁(山崎威裁判官)は15日、「塀に登るだけでは罪に当たらない」として無罪を言い渡した。

大阪地判平成19年10月15日。 記事からは故意を否定したのか、囲繞地を囲む塀が建造物と言えないとしたのかは、分明でない。

2007年10月10日 (水)

自白DVDの証拠価値「過大視できず」 東京地裁判決

リンク: asahi.com:自白DVDの証拠価値「過大視できず」 東京地裁判決 - 社会.

自白DVDの証拠価値「過大視できず」 東京地裁判決
2007年10月10日22時37分
 捜査段階の取り調べの状況を録画したDVDが証拠として採用された事件の判決で、東京地裁(高木順子裁判長)は10日、捜査が適切に行われたかを判断する証拠としての価値を高くは認めない判断を示した。「自白」のシーンが収められたDVDについて「撮影は自白に至ってから約1カ月後で長さも10分余りに過ぎなぎない」と指摘。「有用な証拠として過大視できない」と述べた。

録画画像につき、「被告が自白した理由、心境などを簡潔に述べているのを撮影したものにすぎず、自白に転じる経緯を撮影したものではない」と指摘。「検察官の調書の任意性についての有用な証拠として過大視できず、(取り調べをした)警察官の証言の信用性を支える資料にとどまる」としたもの。東京地判平成19年10月10日。

2007年10月 5日 (金)

警察庁、法曹3者会合に参加 「取り調べ可視化」協議へ

リンク: asahi.com:警察庁、法曹3者会合に参加 「取り調べ可視化」協議へ - 社会.

警察庁、法曹3者会合に参加 「取り調べ可視化」協議へ
2007年10月04日19時11分
 裁判員制度の導入に向けた捜査手続きのあり方を協議する法曹3者の会合に、警察庁が4日、オブザーバーとして初めて参加した。警察や検察の取り調べの過程を録音・録画する「取り調べの可視化」についても議論する見通しで、同庁は捜査への支障を理由に導入に慎重な立場を説明していく方針だ。

いわゆる可視化を巡る動きが盛ん。民主党が、「可視化法案」を参院に提出するという記事も。

私自身は、自白の任意性を巡って水掛け論と言わざるを得ないような状態に陥り審理が長期化することもありうるところ、このようなことは好ましくないから、可視化にはそれなりの魅力を感ずる。他方、可視化と裁判員制度を組み合わせれば、従来のような精密な事実の解明はかなり後退せざるを得ず、このあたりは、躊躇を感ずる。政局絡みでなく、慎重な制度設計が必要なのではないだろうか。

「公判前整理」2年がかり 異例の長期化 大阪地裁

リンク: asahi.com:「公判前整理」2年がかり 異例の長期化 大阪地裁 - 関西.

「公判前整理」2年がかり 異例の長期化 大阪地裁
2007年10月03日
 検察側と被告・弁護側が争点を絞り込む「公判前整理手続き」をめぐり、大阪地裁で初適用された街頭募金の詐欺事件が2年がかりで手続きを終え、3日、同地裁で男性被告の初公判が開かれた。被害者の特定などをめぐって双方の主張が対立し、非公開の協議は21回に及んだ。裁判員制度に向けて裁判の充実・迅速化を目的に導入された同手続きとしては異例の長さとなった。

「異例」と言われると「だからどうした」と脊髄反射してしまいたくなる今日この頃です。

さて、教科書的な説明によれば、公判前整理手続はその導入の目的は、「(i)本業を持った市民が裁判員となり、休業して参加するわけだから、裁判員のために、あらかじめ必要な審理期間の見込みを明らかにする必要がある、(ii)公判前整理手続を経れば、審理計画に従い実質的な争点を中心にした迅速で充実した審理をすることができるし、裁判員にも分かりやすい審理が可能になる」こと、とされる(寺崎嘉博「公判前整理手続の意義と『やむを得ない事由』の解釈」刑事法ジャーナル2号(2006年)2頁)。

そうだとすれば、公判前整理手続それ自体が長期化することは、やむを得ない場合があるのみならず、批判されるべき事でもないのではないか。このあたり、どういう意味で「異例」と書いているのかは、尋ねてみたいところではある。第一、まだ動き始めたばかりの制度に、通例とか異例とか、あるのであろうか。

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